こんにちは。タマモノのうれんプラザ店のuraです。
みなさん、「シーミー」というのをご存じでしょうか?
「シーミー」とは沖縄の伝統行事のひとつで「お墓参り」のことですが、県外のお墓参りとはちょっと違っています。
今回は沖縄のお墓参り「シーミー」についてご紹介していきます。
シーミーとは
シーミー(清明祭)とは、毎年4月初旬頃の梅雨入り前(旧暦の3月)に親族が日時を合わせて集まり、先祖を供養するお墓参りのことです。
中国や沖縄では大事な年中行事の一つで、二十四節気の「清明節」に行い、沖縄の方言で「シーミー」と言います。
二十四節気(にじゅうしせっき)とは、1年を春夏秋冬の4つに分け、さらにそれぞれの季節を6つに分けて季節を表す名前をつけたもので、「節」と「中」が交互にあります。3月下旬の「春分」、6月下旬の「夏至」、9月下旬の「秋分」、12月下旬の「冬至」などはみなさんもよく耳にすると思います。
二十四節気
季節 | 二十四節気名 | 月 | 新暦の日付 |
春 | 立春(りっしゅん) | 1月節 | 2月4日頃 |
雨水(うすい) | 1月中 | 2月19日頃 | |
啓蟄(けいちつ) | 2月節 | 3月5日頃 | |
春分(しゅんぶん) | 2月中 | 3月21日頃 | |
清明(せいめい) | 3月節 | 4月5日頃 | |
穀雨(こくう) | 3月中 | 4月20日頃 | |
夏 | 立夏(りっか) | 4月節 | 5月5日頃 |
小満(しょうまん) | 4月中 | 5月21日頃 | |
芒種(ぼうしゅ) | 5月節 | 6月6日頃 | |
夏至(げし) | 5月中 | 6月21日頃 | |
小暑(しょうしょ) | 6月節 | 7月7日頃 | |
大暑(たいしょ) | 6月中 | 7月23日頃 | |
秋 | 立秋(りっしゅう) | 7月節 | 8月8日頃 |
処暑(しょしょ) | 7月中 | 8月23日頃 | |
白露(はくろ) | 8月節 | 9月8日頃 | |
秋分(しゅうぶん) | 8月中 | 9月23日頃 | |
寒露(かんろ) | 9月節 | 10月8日頃 | |
霜降(そうこう) | 9月中 | 10月24日頃 | |
冬 | 立冬(りっとう) | 10月節 | 11月7日頃 |
小雪(しょうせつ) | 10月中 | 11月22日頃 | |
大雪(たいせつ) | 11月節 | 12月7日頃 | |
冬至(とうじ) | 11月中 | 12月21日頃 | |
小寒(しょうかん) | 12月節 | 1月5日頃 | |
大寒(だいかん) | 12月中 | 1月21日頃 |
引用:国立国会図書館HP 「日本の暦」より
沖縄のお墓
県外のほとんどのお墓は「〇〇家之墓」のように、個人または家族単位で、比較的小さいのが一般的ですが、沖縄のお墓は「亀甲墓」や「破風墓」が主流で、墓扉(入り口)や屋根、また広い前庭があり、まるで家のように大きいのが特徴です。
亀甲墓
出典元:イラスト沖縄
なぜそんなに大きいお墓なのかというと、昔は「風葬」で亡くなった方をあの世に送り出していたからです。
風葬とは、遺体の周りを石壁で囲って風化させる埋葬法のことで、それなりの広さが必要です。
あと、沖縄では親戚一同を門中(ムンチュー)といい、みんなが同じところに入るというのもお墓が大きい理由のひとつです。
門中とは、共通の先祖を持つ血族みんなを指し、「一門(イチムン)」とも言います。
沖縄と本土のお墓参りの違い
本土のお墓参りでは花を飾り、浄水や故人の好みだったものなどを供えて「墓標」に向かって手を合わせますが、沖縄では重箱やオードブルなどを供え、先祖のお骨が眠る「墓扉」に向かって手を合わせます。
二段になっている重箱の中身はというと、家によって違いはありますが、一段は結び昆布、三枚肉、揚げ豆腐、ごぼう、魚の天ぷら、赤白かまぼこ、カステラかまぼこ、こんにゃく、田芋の9種類が基本です。もう一段は白餅、餡餅がいっぱいに詰められています。
重箱
出典元:イラスト沖縄
重箱をお供えした後は「ウサンデーサビラ」と言ってお墓の前から重箱を下げます。
「ウサンデーサビラ」とは、沖縄の方言で「お下げいたします」や「おさがりをいただきます」という感じの意味で、ご先祖様に感謝しながらお供え物を下げ、感謝を込めていただくことで、ご先祖様のご加護を願います。
お墓参りはまるで「ピクニック」
ご先祖様への祈りが終わり「ウサンデー」した重箱やオードブルは、お墓の前の一段下になった広場に広げ、久しぶりに会った親戚と近況などを話しながらいただきます。
昔は重箱の料理は特別な日にしか食べられないご馳走だったので、子供たちはおおはしゃぎ!大人はというと、お酒も入ってにぎやかな「宴会」になり、青空居酒屋と化し、厳かな感じやしんみり感は一切ありません!
大人から子供まで、親戚が一堂に会するわけですから、まるで「ピクニック」のようで、わいわい楽しいお墓参りです。こんなお墓参りって、楽しくないですか?
シーミー(清明祭)の様子
出典元:イラスト沖縄
しかし近年は「感染症対策」などの理由で、家族単位で時間をずらして行くなど、みんなで集まってお墓参りをすることが少なくなり...ちょっと寂しくなっちゃいました。
ただ最近は新型コロナウイルスによる感染症もだいぶ落ち着いたので、またみんなで集まってわいわいにぎやかなお墓参りができるとうれしいですね。
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